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東京ガス、栃木・清原工業団地でエネルギーセンターの建設

2016年8月29日

 東京ガス(東京都港区)は25日、カルビー、キヤノン、久光製薬と東京ガス子会社の東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)と、清原工業団地内の隣接する既存7事業所での、省エネ・CO2削減およびBCPの強化を目的とした電力と熱の供給契約を締結したと発表した。

 TGESは、3万kW級のガスコージェネレーションシステム(ガスコージェネ)を備えた清原工業団地エネルギーセンター(仮称)および電力自営線などの供給インフラの建設に10月より着手し、2019年1月の竣工を目指す。

 内陸型工業団地において、異業種複数事業所向けに電力と熱を合わせて供給する取り組みは、国内初の「工場間一体省エネルギー事業」となる。

 同事業は、省エネやCO2削減によって環境負荷低減を目指すカルビー、キヤノン、久光製薬の3社が、ガスコージェネの導入などの実績を持つ東京ガスおよびTGESと連携して検討を進めてきた。時間や時期によって需要状況の異なる異業種複数事業所の電力と熱の情報をエネルギーマネジメントシステムに集約し、電力と熱を効率的に供給することで、約20%の省エネおよびCO2排出量の約20%削減が見込まれており、事業所単独では実現できない規模の環境負荷低減が可能となる。

 さらに、ガスコージェネにブラックアウトスタート仕様(停電状態で発電機を自立起動させ運転を再開する方式)を採用することで、停電時における各事業所への電力と熱の供給が可能となり、供給安定性が向上する。

 同センターの建設は、国の温室効果ガス排出削減目標等を踏まえて策定された栃木県の「とちぎエネルギー戦略」、宇都宮市の「宇都宮市地球温暖化対策実行計画」などに合致しており、モデル事業としての全国への発信が期待されている。また、工場の省エネルギー化を支援する経済産業省の「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」に採択されている。

■ 施設概要

名称:清原工業団地エネルギーセンター(仮称)
所在地:栃木県宇都宮市(清原工業団地内)
敷地面積:約20,000㎡
延床面積:約5,000㎡
需要家敷地面積合計:約608,000㎡
エネルギー供給設備:ガスコージェネレーションシステム(3万kW級)
         :蒸気ボイラ(45t/h級)
着工予定:2016年10月
完工予定:2019年1月

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