トヨタが方向転換 英工場に340億円投資 生産設備を刷新

2017年3月27日

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強圧的な米国トランプ政権に嫌気? 生産設備刷新 英国政府も支援


 米国にトランプ政権が誕生して以来、「不公正な貿易をしている」としてトヨタ、日産など日本の自動車メーカーが目の敵にされているのは誰の目にも明らかだ。トランプ大統領はこれまで、トヨタのメキシコ新工場に対して、「米国に工場を造れ。さもなくば多額の税金を支払え」と迫るなど、意に沿わない貿易に高い関税をかけることを示唆してきた。国際経済法からすれば明らかにルール違反だが、トランプ大統領は聞く耳を持たないようだ。

 トヨタはこれに嫌気が差したのかもしれない、米国に見切りをつけたようだ。2017年3月16日、英国工場に2.4億ポンド(約340億円)以上を新規投資し、生産設備を刷新すると発表したのだ。

 今回の英国工場への新規投資は、トランプ大統領へのしっぺ返しと言えなくもなさそうだ。もちろん英国政府は大歓迎で、最大2,130万ポンド(約30億円)の支援をするという。強圧的な米国政権とは大違いだ。トヨタは新工場で、新たな設計・生産手法である「TNGA」を採用した車両を将来的に生産するための体制を整える。新規投資にあたり英国トヨタが今回投資するのは、小型車「オーリス」や中型車「アベンシス」を生産する同国中部のバーナストン工場。同工場は年間約18万台の生産能力がある。英国にはエンジン工場もあり、合わせて約300人の従業員がいる。

関税障壁なく アクセス自由 魅力的なEU市場


 英国は2016年6月の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決め、具体的な準備を進めており、国内産業の育成は急務。トヨタにとっては、関税などがなく自由なアクセスが可能なEU市場は魅力的で、「さらなる発展が期待できる」とみているようだ。

 トランプ米政権は、不公平な貿易相手国に高関税などの制裁を科す通商法301条の発動も視野に入れ、「他国や世界貿易機関(WTO)が米国の利益を阻む場合は『抵抗する』としており、トヨタにとってEU諸国は、自国本位の通商政策を講じる米国よりも有利で公正な貿易が期待できる貿易相手国であるのは明らかで、従来の「クルマは米国」という”常識”を見直すきっかけになるかもしれない。

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