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日本製紙、富士工場の新設備が稼働/CNF強化樹脂の生産

2017年7月18日

 日本製紙(東京都千代田区)はこのほど、静岡県富士市の富士工場内にセルロースナノファイバー(以下:CNF)を樹脂に混練させた「CNF強化樹脂」の実証生産設備の建設工事が6月末に完工し、稼働を開始したと発表した。

 CNFは、ポリプロピレンやポリエチレン、ナイロンなどの樹脂への混練により、樹脂を高強度化する新素材として、自動車、建材、家電などでの利用が期待されている。

 同社は、京都大学を拠点として実施されている国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画し、CNF強化樹脂の開発を進めていた。

 今回建設した実証生産設備は、NEDOプロジェクトで得られた知見を基に、年間10トン以上のCNF強化樹脂を製造することができる。今後、さらなる量産化を目指した製造技術の確立を目指すとともに、自動車産業のほか幅広い産業へのサンプル提供により、用途開発を加速させる。

 また、今回の富士工場に続き、9月には江津工場(島根県江津市)で、食品や化粧品など添加剤用途のCM化CNFの量産設備を稼働させる予定。

■ 設備投資概要

所在地:静岡県富士市比奈798(富士工場)
生産品目:CNF強化樹脂
生産能力:10トン以上/年
完工・稼働開始:2017年6月

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