出光興産、ベトナムにブラックペレットの新プラント
出光興産は21日、ベトナム・ビンディン省に石炭の代替となるカーボンニュートラル燃料であるブラックペレット「出光グリーンエナジーペレット」の大型商業プラントを建設すると発表した。
新プラントの建設にあたり、ベトナムの既存木質ペレットの製造会社へ出資し、新会社を設立する。既存の木質ペレット製造工場の敷地内に新プラントを建設し、原料は主にアカシアの端材や製材残渣を使用する。新会社を通じて原料調達から生産、販売、輸送まで一貫したサプライチェーンを構築し、カーボンニュートラル燃料の安定供給を実現する。
「出光グリーンエナジーペレット」は、一般に普及している木質ペレットを半炭化した高カロリー燃料。既存の石炭燃焼設備を改造することなく、そのまま石炭に混ぜて燃料として使用すること(混焼)が可能。
また耐水性を有するため、既存の貯蔵設備が活用できる。既に電力・紙パルプ・化学・食品会社など幅広い産業の発電所や工場に試験燃焼用サンプルを提供しており、最大で35%の石炭代替が可能であることが確認されている。
混焼比率をさらに高め、最終的には出光グリーンエナジーペレットのみを燃料とする(専焼化)ことも可能であり、カーボンニュートラルに向けた効率的かつ現実的なCO2排出低減策であると評価されている。
同社は2030年までに年産200万トンの「出光グリーンエナジーペレット」の供給体制構築を目標としている。2030年までの中間目標として、「3年以内に年産30万トン」の供給体制構築を目指し、ベトナムに続くマレーシア・インドネシアでの生産プロジェクトを今後進めていく予定。
■ 新工場概要
会社名:Idemitsu Green Energy Vietnam Limited Company (出光持分90%)
所在地:ベトナム・ビンディン省
使用材料:アカシア等
商品名:出光グリーンエナジーペレット
生産能力:12万トン/年
稼働開始予定:2022年上期
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