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三菱日立パワーシステムズ、サウジアラビアのガスタービン補修工場が操業開始

2016年4月12日

 火力発電事業を行う三菱日立パワーシステムズ(神奈川県横浜市)は4月8日、サウジアラビアのダンマンに建設していた、ガスタービンの保守・管理のためのMHPS Saudi Arabia Co. LLC(MHPS-SAU)補修工場が竣工し、7日(現地時間)から本格的な操業を開始したと発表した。

 同国の国営石油会社であるサウジアラビアン・オイル・カンパニー(サウジアラムコ)との企業間包括購買契約(CPA)に基づくサービス拠点で、今後、この工場をさらに拡張していく方針。

 同社が2014年11月にサウジアラムコと締結したCPAは、石油・ガスプラントの中核動力機器であるガスタービン向けの機器・サービス・代替部品を供給する契約で、14年間の長期保守契約も含まれている。対象となるのは、三菱重工業が2004年以降に同社に供給したガスタービン11基。

 MHPS-SAUはこの契約に基づき、新設の工場ではガスタービンの保守・管理や代替部品の供給、リモートモニタリングなどを行って、サウジアラムコのプラント設備の安定的かつ高効率な稼働に貢献していく。

 三菱日立パワーシステムズはこの新拠点を、石油・化学プラントなどで使用されるコンプレッサ、その駆動用タービンの補修拠点としても活用していく考え。

 2017年から、同じ三菱重工グループ企業である三菱重工コンプレッサと協力して、同社がサウジアラビアに納入したコンプレッサとその駆動用タービンの保守・点検を手掛ける。

 そのため、一部補修機器についてはガスタービン用と共用・相互融通をはかる一方、この新拠点の敷地面積を倍増させて工場を拡張、また、20トンの大型旋盤や低速バランスマシンなどを新たに導入して、その体制を整える。

 さらには、拡張した同工場の機材を利用して、三菱重工がサウジアラビアに納入した250台以上のポンプの補修拠点としての活用も検討していく予定。

■ 新工場概要

会社名:MHPS Saudi Arabia Co. LLC
所在地:サウジアラビア・ダンマン
事業内容:ガスタービンの保守・管理
操業開始:2016年4月

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