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カネカ、高砂工業所で「カネカ生分解性ポリマーPHBH」の増産

2019年12月23日

 カネカは19日、高砂工業所(兵庫県)で、「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(以下:PHBH)の能力増強工事が完了し、12月17日に竣工式を行ったと発表した。

 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系へ影響を与えるとして世界的な社会問題となっているが、同社が開発した100%植物由来のバイオポリマーであるPHBHは、海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されている。

 また米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大している。

 欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは2020年1月から規制が厳格化され、PHBHの販売が急拡大する見込み。

 国内では、セブン‐イレブン・ジャパン全国約10,000店舗において、11月からセブンカフェ用PHBH製ストローの採用が始まっており、また、資生堂とは化粧品容器の共同開発を行っている。

 さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、年産5,000トンのプラントは早期にフル稼動になる見通し。

 同社によると、今回の生産能力増強だけでなく、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しだとしている。

■ 設備投資概要

所在地:兵庫県高砂市高砂町宮前町2-1-8(高砂工業所)
投資額:約25億円
生産品目:カネカ生分解性ポリマーPHBH
生産能力:約5,000トン/年(従来の5倍)
竣工:2019年12月17日

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