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日本曹達、千葉工場で半導体フォトレジスト材料の増産

2023年2月6日

 日本曹達は3日、千葉工場(千葉県市原市)で、半導体フォトレジスト材料「VPポリマー」製造設備を増設すると発表した。

 通信技術などの進化に伴い3D-NANDフラッシュメモリの生産量が増加し、また車載用・産業用半導体の需要が中期的に拡大傾向にあることから、フォトレジストメーカー各社はKrFフォトレジストの増産体制の構築を検討しており、「VPポリマー」の供給体制の拡充が強く求められている。

 今回、こうした需要に対応し、安定的な供給体制を確保するため、「VPポリマー」製造設備の生産能力増強を決定した。同社は、「VPポリマー」や樹脂添加剤「NISSO-PB」と「液状1,2-SBS」などの機能性ポリマー事業を成長ドライバーと位置付けて拡大発展を目指している。今後のさらなる需要の増加に対応するとともに、顧客ニーズに応じた新しいポリマー材料の提供にも取り組んでいく。

 「VPポリマー(ポリパラヒドロキシスチレン)」は、半導体用のKrFフォトレジスト材料として使用されている。同社は独自に開発したリビングアニオン重合技術により、世界に先駆けて「VPポリマー」の商業化に成功したメーカーであり、同重合技術を用いた製法で得られる製品は分子量の分散度が狭く高品質であることから、半導体の品質要求の高度化に応える製品として、フォトレジストメーカーから高い信頼を得ている。

■ 設備投資概要

所在地:千葉県市原市五井南海岸12-8(千葉工場)
投資額:25億円
生産品目:半導体フォトレジスト材料「VP ポリマー」
生産能力:現状の2倍に増強
完成予定:2024年度下期

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