バルカーは22日、子会社のバルカーメタルテクノロジーが愛知県田原市に機能樹脂特殊タンク製品を製造する新工場を建設すると発表した。

　同社は、2019年3月期から半導体関連を中心とする先端産業市場を「戦略市場」として、機能樹脂特殊タンク製品を同市場における業容の拡大を担う「戦略製品」としてそれぞれ位置づけ、サプライチェーンの整備と製品品質の向上に取り組んでいる。さらに、中期経営計画NewFrontier2023では、顧客の動向と地政学的リスクに対応するため、サプライチェーンの強化と見直しを推進している。

　事業環境では、産業界だけでなく日常生活でも半導体の重要度が高まるなか、国内における半導体生産の再度の隆盛に向けた動きが強まっている。これに対し同社は「国内の先端産業市場は将来に亘り大きな需要の発生が見込める」との認識を持つに至り、また同分野への経営資源の投入は上述の戦略とも合致することから、機能樹脂特殊タンク製品の国内生産能力の拡大を目的とした新工場を建設する。

　同事業は経済産業省の「サプライチェーン対策の国内投資促進事業」の対象事業として採択されており、それによる補助金を資金の一部として建設する。機能樹脂特殊タンク製品は、半導体等の工場で使用する薬液の貯蔵に用いられるほか、それらを製造する化学品メーカーからの搬送にも用いられるなど、半導体関連産業からの多様な需要の発生が期待されている。今後も同社は、機能樹脂特殊タンク製品などの既存商材の強化と新たなソリューションの投入により、先端産業市場における業容の拡大を図る。