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東レ、土浦工場で車載コンデンサ用フィルム増産

2023年6月9日

東レは8日、土浦工場(茨城県土浦市)で二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム「トレファン」の生産能力を増強すると発表した。

 近年、環境意識の高まりから、自動車に対する世界各国・地域での環境規制強化が進み、従来のガソリン車・ディーゼル車など内燃機関だけの自動車販売を制限する動きが加速する中、xEV市場は世界的に2030年までに年率平均約20%の高成長(同社推計)が見込まれている。

 東レは2022年に土浦工場で車載コンデンサ向けにトレファンの生産能力を拡大しているが、xEV市場の拡大を背景とした今後のさらなる車載コンデンサの需要拡大に対応するため、トレファンの生産能力増強を決定した。生産能力は現行比1.4倍、2025年の稼働開始を予定している。

 トレファンは軽量でありながら強靭性、電気特性、機械的特性に優れたプラスチックフィルムで、一般工業、コンデンサ、包装材料など幅広い用途で使用されている。特にフィルムコンデンサは家電やIT機器、xEVのモーターを駆動するパワーコントロールユニット(PCU)のインバーター回路に利用されている。PCUとフィルムコンデンサの小型化と軽量化が求められており、トレファンは独自の技術により薄膜化と高耐電圧性を両立できるため、車載コンデンサ用フィルム市場でトップシェアを誇っている。

■ 設備投資概要

所在地:茨城県土浦市北神立町2-1(土浦工場)
生産品目:二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム「トレファン」
生産能力:現行比1.4倍
稼働開始予定:2025年

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