JX金属、佐賀関製錬所に70億円投資
2025年9月29日
JX金属は26日、金属とリサイクル事業におけるリサイクル原料の増処理に向けた前処理プロセスの設備投資を行うと発表した。
同社は精鉱製錬の収益性低下を受け、製錬事業の強靭化と高収益なリサイクル製錬への事業転換を進めている。グリーンハイブリッド製錬計画により銅精鉱比率を減らしリサイクル原料比率を高める方針の中で、金属価格の上昇や資源循環への関心の高まりにより各国でリサイクル原料の確保競争が強まっており、安定的な原料調達が課題となっていた。このため低品位E-wasteなどの前処理を要するリサイクル原料の増集荷を見据え、キルン炉を中心とする前処理プロセスの強化を急務と判断した。
今回の投資により、収益性の向上と銅資源循環の促進に加え、再生可能エネルギーや電動化拡大を支える体制を強化する。また、回収量が増える貴金属やレアメタルは半導体材料や情報通信材料事業において需要があり、供給リスクが高まる中でサプライチェーンの強化と重要鉱物の安定確保につなげる。
■ 新工場概要
所在地:大分県大分市(JX金属製錬 佐賀関製錬所)
投資額:約70億円
処理能力:2025年比約5割増
稼働開始:2027年度(予定)