工場・物流施設を中心とした設備投資情報を配信

エア・ウォーター、北海道豊富町の水素製造プラント完成

2025年9月26日

エア・ウォーターと戸田工業は19日、北海道天塩郡豊富町で未利用天然ガスを活用したDMR(メタン直接改質)水素製造プラントを完成させ、竣工式を行ったと発表した。

 同社は2021年からNEDO委託事業として、メタンを原料に高活性鉄系触媒を用いたDMR法によるCO2フリー水素製造の研究開発を進めてきた。豊富町では温泉に付随してメタン含有率95%の良質な天然ガスが産出されているが未利用が多く、その有効活用を背景に同事業が進められた。新プラントは国内初の商用規模でのDMR法による水素製造施設で、CO2を排出せず高純度水素を製造し需要家に供給するほか、副生成物の炭素を多層カーボンナノチューブとして市場展開することを目指している。

 設備は水素製造能力40Nm³/h、CNT製造能力100t/年を備え、99.99%以上の高純度水素を産業用途に供給可能とした。今後は2026年3月末までに水素製造システムを確立し、製造コストを2030年政府目標の30円/Nm³以下に低減することを計画している。また将来的には反応炉加熱燃料を再生可能エネルギーに切り替え、ターコイズ水素としての提供を目指す。

■ 設備投資概要

所在地:北海道天塩郡豊富町
事業内容:水素製造
生産能力:水素 40Nm3/h
    :CNT 100t/年
竣工式:2025年9月18日

このエントリーをはてなブックマークに追加