テクセンドフォトマスクは10月31日、シンガポール東部の主要工業地帯「30 Tampines Industrial Avenue 3」で新工場の起工式を行ったと発表した。

　AI、5G、自動運転、IoTなど先端技術の進展による世界的なデジタル化の加速を背景に、半導体需要が拡大する中で、東南アジアとインド市場の成長を取り込むためフォトマスク新工場を建設する。シンガポール政府が半導体関連産業の集積と生産能力拡大を支援しており、フォトマスク需要が増加していることも投資判断の一因となった。

　新工場は、同社の主要顧客である半導体企業の製造拠点に隣接し、迅速な技術連携と製品供給を可能とするほか、材料メーカーの拠点にも近接しており、原材料供給や在庫管理の効率化を図る。さらに、チャンギ国際空港へのアクセスにも優れ、国際物流面での利便性が高い。加えて、AIによる自動生産管理システムと自動製造ラインを導入し、生産性向上とコスト削減を実現する。

　同社はこの新工場を、東南アジアとインド市場への供給拠点と位置づけ、グローバル事業展開を支える戦略的な中長期拠点として整備を進める計画。