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日本ゼオン、富山・氷見で位相差フィルム増産

2025年12月17日

日本ゼオンは12月15日、富山県氷見市の氷見二上工場で大画面液晶テレビ用位相差フィルム製造ラインの増設工事に着手すると発表した。

 液晶テレビの大型化に伴い、視野角補償や反射防止などに用いる位相差フィルムの需要が拡大している。同社は独自のポリマー設計技術によるシクロオレフィンポリマー(COP)製光学フィルム「ZeonorFilm」を溶融押出法で量産しており、大型テレビやモバイル機器向けの用途が伸長している。

 氷見二上工場内に新たな建屋を建設し、年間4,500万m²の生産能力を持つ新ラインを導入する。新設備では世界最大級となる3,000mm幅フィルムを生産し、大型液晶テレビ市場のニーズに対応する。2027年夏に量産を開始する計画で、操業人員の確保も進める。生産能力は増設前比約20%増の年間2億6,400万m²となる。

 同社は中期経営計画「STAGE30」の第3フェーズ(2025~2028年度)で「モビリティ」「医療・ライフサイエンス」「情報通信」「GX」を成長分野に位置づけている。COP製フィルム事業を成長ドライバとし、樹脂からの一貫生産体制と複数拠点による供給安定性を生かし、事業拡大を図る。

■ 設備投資概要

所在地:富山県高岡市二上新422-1(氷見二上工場)
事業内容:大画面液晶テレビ用位相差フィルムの製造
生産能力:年間4,500万m²(新ライン)/増設後年間2億6,400万m²
起工式:2025年12月15日
量産開始予定:2027年夏

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