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富士フイルム、欧米拠点に2000億円投資

2022年7月1日

 富士フイルムは6月30日、抗体医薬品の生産能力増強を目的に、バイオ医薬品CDMOの中核会社フジフイルム ダイオシンス バイオテクノロジーズ(以下:FDB)の欧米拠点に、総額約2,000億円の大規模投資を行うと発表した。

 抗体医薬品市場は、既存薬の需要増に加え、抗体薬物複合体(ADC)や、バイスペシフィック抗体を用いた薬など新型薬の拡大により、年率10%を超えるペースで成長すると見込まれている。同社は、市場ニーズの高い大型タンクによるバッチ生産方式と、さらなる高品質・高効率生産が可能な独自の連続生産方式の両輪で、抗体医薬品の生産能力の増強を進めている。

 今回、現在増強中の生産能力を上回る、抗体医薬品の旺盛な製造受託ニーズを受け、最短で生産設備の立ち上げが可能なデンマーク拠点に、20,000リットル培養タンク8基を追加導入する第二弾大型設備投資を行う。今回の投資により、2026年までに同サイズのタンク保有数をデンマーク拠点で20基、全世界で合計28基に拡大させる。

 また、世界最大のバイオ医薬品市場である米国にも戦略的投資を行い、欧米両市場で連続生産システム(同社が業界で初めて開発。培養から精製まで原薬の一貫生産が可能)による原薬製造体制を確立する。

 英国拠点に続き、米国テキサス拠点に連続生産システムによるGMP製造が可能な設備を導入。新薬開発を行う顧客との協働だけでなく規制当局との連携で早期商用化を目指し、連続生産システムを用いた製造受託のグローバルな市場形成を図る。

■ 設備投資概要

総投資額:約2,000億円

◇ デンマーク拠点
拠点名:FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS
所在地:デンマーク・ヒルロッド市
投資内容:新棟の建設、20,000リットル動物細胞培養タンク(8基)、精製設備などの導入
着工予定:2022年夏
稼働予定:2026年

◇ 米国拠点
拠点名:FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC
所在地:米国・テキサス州
投資内容:連続生産システムによるGMP製造が可能な設備の導入
着工予定:2022年夏
稼働予定:2026年

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