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三菱重工航空エンジン、愛知県小牧市の工場を拡張

2023年3月9日

 三菱重工航空エンジンは7日、世界中で増加するMRO(修理・整備)ニーズに応えるため、航空エンジン整備工場の拡張工事を完工したと発表した。

 これにより、民間航空エンジンの整備台数を現状の月産5~6台から2026年までに月産10台以上、将来的には現在の3倍となる15台へ増産する計画。

 今回の工事では、建築面積約1万1,600m²の現工場から、延床面積を約2,500m²増床し、作業エリアを2割拡張した。同工場では、ボーイング747搭載「PW4000」やエアバスA320搭載「V2500」といった既存エンジンに加え、最新鋭のベストセラー機であるエアバスA320neo搭載「PW1100G-JM」エンジンの整備も実施する。

 工場拡張に伴い、既存エリアにはエンジン分解・組立・検査などの人手作業を集約し、増築エリアにはバランス作業や研削などを行う最新鋭の大型設備を集約することで効率的な整備エリアを実現。また、限られた敷地面積を最大限に生かすため、増築部分の2階部分は部品を揃えるキット作業に特化するなど、増築エリアと既存エリアを有効利用する。

 三菱重工航空エンジンは1993年にPW4000エンジンのMRO事業を開始し、これまで900台を超える同型エンジンとそのモジュール(構成部品)の整備を実施してきた。エアバス社が今後A320neoの段階的な増産を計画していることから、同機に搭載するPW1100G-JMの運航台数とそのMRO需要は今後数年間で倍増する見通し。

 同社は、旺盛な需要と世界中の顧客の安全かつ経済的な航空エンジンの運用ニーズに対応するため、教育訓練体制や厳格な品質保証体制の構築、新たな整備技術の開発・適用によるスマートファクトリー化を推進している。また、MRO事業のほかに燃焼器や低圧タービンを中心とした航空エンジン部品の生産も行っており、愛知県小牧市と長崎県長崎市の2拠点体制で部品の増産に対応中だとしている。

■ MHIAEL航空エンジン整備工場概要

所在地:愛知県小牧市大字東田中1200番地(三菱重工業(株) 名古屋誘導推進システム製作所内)
構造:鉄骨造 一部3階建て(2階層構造)
建築面積:現在/約1万1,600m² 増築部/約1,600m²
延床面積:現在/約3万2,100m² 増築部/約2,500m²

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