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矢崎総業、ジヤトコ掛川工場跡地に新工場

2025年7月1日

矢崎総業は6月30日、静岡県掛川市のジヤトコ掛川工場跡地を3月27日に取得したと発表した。

 2026年中の稼働開始を目指し、隣接する掛川ティーライフの施設も賃借して生産能力を強化する。新工場設立は、電動車普及に伴い自動車部品の電動化対応が急務となり、高圧部品の大型化による広い生産スペースの確保が必要となったことが背景にある。同社は2023年頃から新たな土地取得を検討し、既存拠点との距離や交通アクセスの良さから、ジヤトコ掛川工場跡地を選定した。

 日本国内への設備投資を進める理由として、電動化対応とものづくり力の強化とリスク分散の基盤構築を挙げている。電動化関連製品の生産体制を日本で整備し、バッテリーメーカーが集中する東アジア地域に迅速に対応できる体制を構築する。海外事業に伴うリスクを低減するため、まずは日本で生産拠点を強化し、将来的に海外展開にも柔軟に対応できる体制を目指す。

 自働化の進展も日本国内での生産再構築を後押ししており、今後は多様な製品・地域・市場変化に対応できる体制を国内で整える長期戦略とする。新工場で生産する高圧ジャンクションブロックは今後5年間で売上を約3倍に拡大し、掛川ティーライフで生産予定のCCS(Cell Contacting System)も同期間で約2.4倍の売上を計画している。さらに2028年には新工場に開発機能も移転し、開発と製造の連携強化を図る。

■ 新工場概要

所在地:静岡県掛川市淡陽16(ジヤトコ掛川工場跡地)
事業内容:高圧ジャンクションブロックの製造
稼働開始予定:2026年中

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