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三菱ケミカルグループ、福岡事業所にポリカーボネート樹脂リサイクルの実証設備

2023年3月17日

 三菱ケミカルグループは15日、ポリカーボネート樹脂(以下:PC樹脂)ケミカルリサイクルの世界初の事業化に向けて2030年に年間1万トン規模の処理能力の実現を目指す検討を開始したと発表した。

 現在福岡事業所に実証設備を建設中で、2023年8月の完工後、同年度中に実証実験を完了し具体的な事業化検討を進める予定。同事業は環境省の「2022年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の補助事業として採択されている。

 PC樹脂は透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性に優れたエンジニアリングプラスチックで、自動車の内装部品やヘッドランプ、建築資材などに使用されている。

 現在、使用済みPC樹脂は粉砕・溶融後に成形し直すマテリアルリサイクルによる再資源化が一般的だが、劣化したものや異なる樹脂が混入していると、十分な品質のリサイクル樹脂を得られないという課題がある。これに対して、使用済みPC樹脂を解重合して原料モノマーに戻し、再び重合するケミカルリサイクルを行うことで、より広い範囲の使用済みPC樹脂を高品質なリサイクルPC樹脂に再生することが可能になるという。

■ 実証設備概要

所在地:福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1-1(福岡事業所)
設備:ポリカーボネート樹脂ケミカルリサイクル実証設備
完工予定:2023年8月

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