堀場エステック、京都福知山の新棟稼働
堀場エステックは12月18日、京都福知山テクノロジーセンターの新棟が本格稼働したと発表した。
同センターは2013年に研究開発専用拠点として開設し、気体の質量流量校正でISO/IEC 17025認定を取得するなど、マスフローコントローラー(MFC)の品質向上を進めてきた。半導体製造で新材料の採用が進み、多様なプロセス条件に対応した計測・制御技術の高度化が課題となっている。
新棟では、気体流量校正設備と液体気化実験設備の処理能力を各2倍に増強した。微小流量から大流量までの試験・校正範囲を拡大し、最先端半導体プロセス向けMFCの性能検証や他分野応用を視野に入れた研究開発体制を整えた。液体・固体新材料への対応力を高めるため、関連実験エリアも拡張した。
併せて、プラズマ実験室とエンジニアリング室を新設した。プラズマ技術の研究を通じ、プロセスチャンバー洗浄や低ダメージプロセス向け製品開発を加速させる。エンジニアリング室ではMFCの実験・稼働データを一元管理し、流量や部品劣化を予測するデジタルツインモデルを構築する計画だ。グループ海外拠点とも連携し、モデルの最適化と技術展開を図る。
また、半導体製造で用いるSF6など温室効果ガスの除害設備の分解性能を高精度に計測する装置の開発にも取り組む。環境負荷低減型プロセス向け計測ソリューションを新ビジネスとして育成し、関連市場の開拓をめざす。
新棟にはカフェテリアや共同研究向けラボスペースを設け、産学官や企業間連携を見据えたイノベーション拠点とする。隣接地で建設中の京都福知山工場(2026年春稼働予定)と連携し、研究開発成果を生産に迅速に反映させる体制を構築する。
■ 施設概要
名称:堀場エステック 京都福知山テクノロジーセンター
投資総額:約40億円
所在地:京都府福知山市三和町みわ11番1
敷地面積:9,457m²
延床面積:5,642m²(2階建て)(増設前比で約4倍)
従業員数:35名(2025年12月時点)、2028年に70名の体制をめざし、段階的な増強を進める
開設:2013年12月
着工:2024年3月
