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大阪ソーダ、尼崎工場と松山工場でシリカゲル増産

2025年12月25日

大阪ソーダは12月17日、医薬品精製用シリカゲルの需要拡大に対応するため、尼崎工場と松山工場で製造設備を増設すると発表した。

 同社の医薬品精製用シリカゲルは世界シェア約70%を占め、医薬品の分析・精製工程で広く使用されている。近年は糖尿病治療薬の需要増加に加え、肥満治療薬市場の拡大で需要が急速に伸びている。

 同社はこれまでに50億円超を投じ、松山工場の新増設と尼崎工場の第2期増設を行い、当初計画を1年前倒しして2025年度に2023年度比約2倍の製造能力を整備した。

 一方、肥満治療薬分野では先行製薬企業の大規模投資に加え、中国やインドなど新興国での後発品やバイオシミラー開発が進展している。同社はこの状況を踏まえ、シリカゲル需要の2025〜2030年度の年平均成長率見通しを約20%へ上方修正した。

 需要が2028年頃に現有能力を上回る可能性が高まったと判断し、総額100億円超を投じる戦略投資を決定した。新増設により安定供給体制を強化し、グローバル市場での競争力向上を図る。

■ 設備投資概要

対象工場:兵庫県尼崎市大高洲町11(尼崎工場)
    :愛媛県松山市北吉田町77(松山工場)
投資金額:100億円超
事業内容:医薬品精製用シリカゲルの製造
製造能力:約2倍(現有能力比)
完成予定:尼崎工場 2027年11月
    :松山工場 2028年2月

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