東洋紡、敦賀バイオ工場の新設備竣工
2025年6月3日
東洋紡は5月27日、福井県敦賀市の敦賀バイオ工場で、PCR検査試薬と遺伝子診断薬原料を製造する新設備を竣工したと発表した。
PCR検査は、新型コロナウイルスなどの微量なウイルスDNAを検出できる遺伝子検査として広く活用されている。現在もサル痘や鳥インフルエンザなどの感染症が世界各地で発生しており、早期発見や予防に対応するPCR検査試薬の需要が高まっている。さらに、研究分野でも新たな診断法や治療法の開発に使われており、PCR関連製品の市場は2032年までに年平均7.2%の成長が予測されている。
今回の設備投資により、高濃度DNAの取り扱いに適したクリーンルームや研究試薬の分析と製造に対応する環境を備え、品質試験棟も新設。PCR検査試薬と遺伝子診断薬原料の生産能力を従来の約3倍に増強した。
国内での生産と供給体制を強化することで、将来的な感染症拡大時の検査試薬需要に迅速に対応可能とし、診断薬の開発や研究用試薬の供給を通じて予防医療分野にも貢献する。
■ 設備投資概要
所在地:福井県敦賀市東洋町10-24(東洋紡(株)敦賀事業所第一内)
投資額:約65億円
延床面積/構造/階数:研究用試薬棟 8,250㎡/鉄筋/4階建て
:遺伝子製造/品質試験棟 1,760㎡/鉄筋/2階建て
生産品目:研究用遺伝子検査試薬、PCR原料酵素、遺伝子、抗体など
竣工式:2025年5月27日
稼働:2025年4月