三菱商事（東京都千代田区）は4日、同社が約93％を出資するMCバイオテック社（以下：MCB ）の培養工場において、アスタキサンチン製造工程の本格稼働を開始したと発表した。

　アスタキサンチンは、抗酸化作用から健康食品、化粧品原料、並びに天然着色料として、欧米・日本・東南アジア・中国等世界的に需要が拡大。

　MCBでは、ヘマトコッカス藻を培養する方法で天然由来のアスタキサンチンを生産し、石油由来の合成品と比較して、より付加価値の高い商品を供給する。

　工場が立地するブルネイは、日照、水等の自然資源に恵まれていることからアスタキサンチンを豊富に生成するヘマトコッカス藻の培養に適しており、ブルネイ政府の協力も得ながら、ハラル工業団地である「Bio Innovation Corridor」における第一号案件として同事業を取り進めてきた。

　MCBには、機能性物質生産に知見のある、日本水産もパートナーとして約7%を出資済。MCBで生産されたヘマトコッカス藻から乾燥バイオマスを製造し、日本向けに輸出する。

　その後日本国内にてアスタキサンチンを抽出した後、同事業のパートナーであるバイオジェニック社が、各種原料として製品化し国内外に販売する計画。