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中村超硬、大阪府和泉市に新工場/ダイヤモンドワイヤの需要増に対応

2015年9月11日

 ダイヤモンドワイヤ大手の中村超硬(本社:大阪府堺市)はダイヤモンドワイヤの生産能力拡大を目的として新工場の開設、製造設備の増設を決定したと発表した。今回のダイヤモンドワイヤ製造設備の増設により、月間生産能力は現状から約40%増加する。

 同社が製造・販売するダイヤモンドワイヤは、主に太陽電池向けシリコンウエハを製造するためのスライス工程で使用される切断用工具であり、ダイヤモンドワイヤによるスライス手法(固定砥粒方式)は従来手法(遊離砥粒方式)に比べ、細線化・高速化によるコスト減、環境負荷低減等が可能となるため需要が急増しているという。

 一方で、ダイヤモンドワイヤの販売先の多くは中国のウエハメーカーであり、7月以降の中国国内の株式市場における混乱で中国経済に対する懸念が生じていが、自然エネルギーを利用する太陽電池の世界的需要は変わらず拡大傾向にあること、世界的位置付けにおいて中国の太陽電池関連メーカーは供給サイドにあり中国国内での消費は限定的であること、スライス加工における固定砥粒方式の優位性は揺るがないこと等により、ダイヤモンドワイヤの需要は当面拡大基調が継続すると判断し、今回の投資を決定したとしている。

■ 新工場概要

名称:和泉第2工場(仮称)
所在地:大阪府和泉市あゆみ野2-1-3
投資額:約13.8億円(土地と建物は賃貸借契約に基づく)
敷地面積:約2,400㎡
延床面積:約4,200㎡
増設する設備:ダイヤモンドワイヤ製造機械及び付帯設備
生産開始予定:2016年1月

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