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宇部興産、宇部工場内に新工場/シクロヘキサノンの製法転換

2016年1月26日

 宇部興産(東京都港区、山口県宇部市)は21日、宇部ケミカル工場において、シクロヘキサノン(カプロラクタム中間原料。以下「アノン」)の製法転換を決定したと発表した。

 同社は、ナイロン・カプロラクタムチェーンの構造改革による収益改善を図るため、カプロラクタムの抜本的なコストダウンや、ナイロン6の生産能力増強に伴う自家消費比率向上を進めていた。

 その一環として宇部工場ではアノンの製法革新を検討してきたが、今回、年産8万tの新工場を建設し、アノンの製法をフェノール法へ転換することを決定。17年11月の完成を予定している。

 新たに導入する製法は、フェノールを選択水添してアノンを得る製法。現在の製法と比較し、工程が短く、工場もコンパクトになり、原料からアノンへの収率が高いといったメリットがある。また、スチームと電力の使用量も削減でき、温室効果ガスの排出削減も期待される。

 今後は、製法転換により、宇部工場での1,6ヘキサンジオールおよび1,5ペンタンジオールは生産停止し、タイの子会社(UBE Fine Chemicals (Asia))からの輸入販売で供給を継続するとしている。

■ 新工場概要

所在地:山口県宇部市大字小串1978-10(宇部ケミカル工場内)
完成予定:2017年11月

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