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SCREENホールディングス、国内5か所に160億円投資

2022年7月28日

 SCREENホールディングスは27日、彦根事業所に半導体製造装置事業(以下、SPE事業)の新工場となる「S3-5(エス・キューブファイブ)」の建設と国内グループ会社3社への能力を増強すると発表した。

 近年の旺盛な半導体需要をけん引してきたDX(デジタルトランスフォーメーション)、EV・自動運転などの車載関連、IoTインフラの普及に加え、GX(グリーントランスフォーメーション)分野への投資意欲や、メタバースなど新たな技術領域の進展に伴い、データセンターを中心に半導体デバイスへの需要は世界規模で拡大している。そのため半導体製造装置市場では、一時的な調整局面が見られるとしても、長期的には高水準の成長が続くと見込まれている。

 こうした市場動向を受けて同社は、長期的な視点に立ち、盤石な生産・サービス体制を構築するため、彦根事業所と国内グループ会社3社への能力増強投資を決定。投資総額は約160億円となり、2023年1月に操業開始予定の「S3-4」に続く大型投資となる。

 今回の設備投資の中核となる新工場「S3-5」は、洗浄装置の生産能力増強に向け、部品仕分け機能や装置・ユニットの組み立て機能を強化。主力工場である「S3-3」や、建設中の「S3-4」と連結することで、生産開始から出荷まで効率的な生産フローを実現する。また、富山県のグループ会社では今回の投資により、ユニット組み立てから出荷までの一貫生産が可能になるなど、グループ全体の生産能力向上・効率化を図る。

 他にも、保守・サービス体制強化の一環として、熊本県に最先端機器のトレーニングセンターを含む新たなサービス拠点となる新棟の建設や、洗浄装置の部品加工強化のため、福島県のグループ会社で能力増強を行うなど、サプライチェーン全体の強化を目指す。

 なお、今回設置する全てのクリーンルームに省エネルギー対応の空調設備を導入するなど、生産設備の環境負荷低減に向けた取り組みについても継続して進めている。

 今回の設備投資により、SPE事業全体における生産能力は約20%アップとなり、長期にわたって成長が続く半導体業界への装置の安定供給を可能とする。

■ 設備投資概要

◇新工場
名称:「S3-5(エス・キューブファイブ)」(S3はSafety、Smart、Speedの頭文字)
所在地:滋賀県彦根市高宮町480-1
総工費:約80億円
建築面積:約4,500㎡
延床面積:約13,534㎡
構造:鉄骨造 地上3階建て
主な業務:主力製品である枚葉式洗浄装置の生産など
操業開始予定:2024年1月

◇(株)SCREEN SPE サービス
所在地:熊本県上益城郡益城町小谷2083番7
総工費:約5億円
投資内容:熊本エリアでの保守サービス拡大に伴う新棟建設
主な業務:半導体製造装置の保守サービス
竣工予定:2022年10月

◇(株)SCREEN SPE ワークス
所在地:富山県高岡市本郷二丁目300-1
総工費:約55億円
投資内容:拡張整備
主な業務:半導体製造装置(洗浄装置)の組み立て、検査、搬入、据え付け
竣工予定:2023年7月

◇(株)SCREEN SPE クォーツ
所在地:福島県郡山市待池台1-15-4(郡山工場)
総工費:約15億円
投資内容:拡張整備
主な業務:半導体製造装置(洗浄装置)の主要部品、石英ガラス洗浄槽などの生産
竣工予定:2023年9月

所在地:福島県いわき市勿来町酒井七反田22-4(いわき工場)
総工費:約5億円
主な業務:半導体製造装置(洗浄装置)の主要部品、石英ガラス洗浄槽などの生産
竣工予定:2023年10月

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