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日清丸紅飼料、南さつま市に新研究所

2022年10月24日

 配合飼料を製造する日清丸紅飼料(東京都中央区)は、鹿児島県南さつま市に水産研究所を新設する。11日、南さつま市と立地協定を締結した。

 近年のアジア諸国の経済発展に伴って食料に対する需要は高まっており、その生産に必要な配合飼料の需要拡大が予想されている。日本は配合飼料原料の大半を海外に依存していることから、国際的に原料調達の動きが強まる中で、国内の畜産業と水産業を守るための安定的な原料確保が求められている。

 水産研究所新設は、今後、こうした国際環境の変化に柔軟に対応しつつ、顧客ニーズに応えていくため、養殖業に適した環境と気候条件を兼ね備え、鹿児島水産工場との連携も可能なことなどから決定された。

 新設する水産研究所については、南さつま市の笠沙恵比寿を取得し、改修した上で、現在愛知県田原市に保有する研究所を閉鎖して移転する計画であり、ブリやマダイ、クロマグロなどの養殖対象魚の飼料開発や、低・無魚粉飼料の開発を行う。

 この研究開発が本格化すれば、持続可能な養殖技術や飼料開発など環境負荷低減の取り組みが進み、水産資源である魚粉や魚油に依存しない飼料の開発と普及に向けたSDGsの取り組みが促進するとともに、将来的には漁場での出荷サイズまでの実証飼育を行い、その研究成果が次世代の漁業の発展に繋がると期待されている。

■ 研究所概要

研究所名:水産飼料総合研究所(仮称)
所在地:鹿児島県南さつま市笠沙町片浦14847番地1
投資予定額:4億9,100万円
用地面積:6,595.16㎡
建物面積:主とする建物1,708.04㎡、附属建物819.81㎡
新規雇用者:3名(操業開始後、順次、現水産研究所より12名程度異動予定)
事業内容:水産用飼料の研究開発
着工予定:2023年4月
操業予定:2024年4月

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