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三菱電機、熊本県菊池市に新工場/1000億円投資

2023年3月15日

 三菱電機は14日、熊本県菊池市泗水町にSiC8インチウエハを製造する新工場棟を建設すると発表した。

 近年、脱炭素社会の実現に向けた世界的な省エネ志向が高まっており、特にSiCパワー半導体は、電気自動車向け需要の拡大に伴う急速な市場拡大が見込まれるとともに、低損失・高温度動作・高速スイッチング動作等が求められる様々な応用分野で更なる市場の広がりが見込まれ、GX実現への貢献が期待されている。

 今回、この市場拡大に対応するため、SiCウエハについて約1,000億円を投資して新工場棟の建設と設備を増強する。新工場棟は、熊本県泗水地区に保有する拠点を活用し、大口径化(8インチ)に対応するとともに、最先端の省エネ性能を有するクリーンルームを導入し、徹底した自動化によって高い生産効率を実現する。また、市場の旺盛な需要に対応するため6インチウエハ製品の生産設備も増強し、さらなる事業拡大を目指す。

 この他、約100億円を投資してパワー半導体の後工程の新工場棟を福岡地区に建設し、同地区内に点在する組み立て・検査工程を集約する。設計・開発から生産技術検証までを一貫して行う体制を構築して製品開発力を向上し、市場ニーズに合わせた製品のタイムリーな量産化を実現する。

 同社は、SiCパワー半導体の生産体制強化に向けた新工場棟の建設をはじめ、パワーデバイス事業における2021年度から2025年度までの累計設備投資を従来計画から倍増させ、約2,600億円を投資する計画。

■ 新工場概要

所在地:熊本県菊池市泗水町住吉1576-1
生産品目:SiCパワー半導体製品
担当する生産工程:ウエハプロセス工程(前工程)
環境・省エネ対策等:省エネ性が高い製造装置や超高効率空調システム、徹底した排熱利用など最先端の省エネ性能を有するクリーンルームを設置。全フロアに免震構造を採用して事業継続性を向上。
稼働開始予定:2026年4月

◇ 追加投資概要
SiC8インチウエハ(前工程)に対応した新工場棟建設・生産設備導入(第一期)、既存工場のSiC6インチウエハ製品の生産設備増強等(熊本県):約1,000億円
組み立て・検査工程(後工程)における新工場棟建設(福岡県):約100億円
その他設備増強や環境整備など:約200億円

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