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川崎重工業、米国でCO2分離回収技術の実証設備建設

2023年7月5日

川崎重工業は6月30日、カーボンフロンティア機構と共同で、米国ワイオミング州ジレット市のDry Fork石炭火力発電所に隣接するIntegrated Test Center(以下:ITC)でCO2分離回収技術実証試験設備の起工式を行ったと発表した。

 実証試験は環境省委託事業「環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業委託業務(固体吸収剤による分離回収技術実証)」により実施するもので、
ITCにCO2分離回収設備を設置し、Dry Fork発電所から排出する排ガスからCO2を分離回収する際のアミン由来の物質の環境影響評価試験を実施するもの。

 実証試験に採用するCO2分離回収技術は、川崎重工が独自に開発したアミン固体吸収剤を用いてCO2を分離回収するもので、従来のアミン吸収液法による技術と比較して低温蒸気によるCO2の分離・再生が可能なため、より省エネルギー効果の高い技術として期待されている。試験は固体吸収剤によるCO2分離回収技術を用いた世界初の環境影響評価試験となる。

 設備は今年10月末に建設と試運転を完了し、11月から環境影響評価試験を実施する。同社は2050年のカーボンニュートラル達成に向けたソリューションの一つとしてCO2分離回収技術に注力しており、今回の実証試験を通して同技術の普及を加速させる。

■ 設備投資概要

所在地:米国ワイオミング州ジレット市(Integrated Test Center)
起工式:2023年5月2日
完成予定:2023年10月末
評価試験開始予定:2023年11月

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