工場・物流施設を中心とした設備投資情報を配信

日立造船マリンエンジン、熊本県長洲町の本社工場で設備投資

2023年9月22日

日立造船は19日、連結子会社で今治造船との合弁会社の日立造船マリンエンジンが本社工場(熊本県玉名郡)でメタノール供給装置などの設備投資を行うと発表した。

 船舶の主機関である舶用エンジンは、海運・造船分野におけるGHG(温室効果ガス)削減に重要な役割を担っており、従来の重油焚きからLNG、メタノール、アンモニア、水素などの新燃料への転換が急務となっている。

 中でもメタノールは、アンモニアや水素と比べて取り扱いが容易であるため、LNGに次いでメタノール対応の舶用エンジンの開発が、舶用エンジンにおける世界最大のライセンサーであるMAN Energy Solutions SE(ドイツ、以下:MAN)などを中心に進められている。

 日立造船は、MANからメタノールに対応した二元燃料テストエンジン(4S90ME-C10.5-LGIM)を受注しており、日立造船マリンエンジンが本社兼工場で製造や陸上試験による技術検証を行うが、今回の設備投資は同テストエンジンの陸上試験のためだけでなく、メタノール対応二元燃料エンジンの生産体制を整えるためのもの。

 メタノール対応の二元燃料エンジンは、一部のエンジン型によっては既に実装されているほか、就航船に搭載されたエンジンのメタノール焚きへの改造や、新造船向けの発注も数多く計画されており、メタノール対応二元燃料エンジンの需要は世界的に拡大している。

 また、グリーンメタノールを燃料とした場合、重油に比べ「Wellto Wake」ベースでCO2排出量を90%以上削減でき、海上輸送のカーボンニュートラル化や環境負荷低減に貢献する。

■ 設備投資概要

設置場所:熊本県玉名郡長洲町大字有明1番地(日立造船マリンエンジン本社兼工場)
投資額:約4億円
導入設備:メタノール供給装置(1台)
    :メタノール貯蔵タンク(容量:約300kL)
    :サービスタンク(1基)など

このエントリーをはてなブックマークに追加