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中外製薬工業、浮間工場に200億円投資

2023年12月21日

中外製薬は19日、グループ会社の中外製薬工業の浮間工場(東京都北区)で、第III相臨床試験から初期商用までのバイオ原薬の製造を担うバイオ原薬製造棟「UK3」の生産能力増強と脱フロンに向けた設備投資を行うと発表した。

 独自の抗体エンジニアリング技術を強みとする同社の開発品・医薬品は、複雑な構造を持つ製造難度の高い抗体が多くを占めている。自社で迅速かつ十分な供給を果たすことや、臨床開発から初期商用生産まで一貫した供給基盤を構築するため、積極的な設備投資を進めてきた。加えて、同社が掲げる成長戦略TOP I 2030のもと、研究所から生み出される開発品・医薬品の増加が見込まれ、更なる自社供給キャパシティの拡大と効率化が必要となっている。

 今回の設備投資は、近年技術革新が進む高産生化への対応等によりUK3の生産能力を約3倍に増強し、バイオ原薬の供給スピード・フレキシビリティを向上させることで、自社創製品の高速上市に貢献する。あわせて、環境対策として脱フロンを実現する各種設備更新も行う。工事を同時に実施することで製造停止期間の短縮を図る計画。

■ 設備投資概要

【浮間事業所の概要】
所在地:東京都北区浮間5-5-1
敷地面積:54,958㎡
業務内容:医薬品の製造プロセス研究、治験薬と医薬品の製造

【バイオ原薬製造棟(UK3)改造工事計画】
総投資額:203億円
生産能力:約3倍
棟内工事開始:2026年5月
製造再開:2027年6月

【抗体原薬製造設備の概要】
◇浮間事業所
製造棟:UK1、UK2
ターゲット:商用・治験薬製造 小スケール
培養槽:2,000L×4基 シングルユース
特徴:シングルユース技術活用により稼働率を向上

製造棟:UK3
ターゲット: 商用・治験薬製造 大~中スケール
培養槽: 6,000L×6基 ステンレスタンク
特徴:フレキシビリティを重視、少量多品種生産に対応

製造棟: UK4(2024年1月稼働予定)
ターゲット: 治験薬製造 小スケール
培養槽: 2,000L×2基 シングルユース
特徴:初期開発用治験薬製造に特化、シングルユース技術強化によりスピード・フレキシビリティを向上

◇宇都宮事業所
製造棟: UT1
ターゲット: 商用生産 大スケール
培養槽: 10,000L×2基 ステンレスタンク
特徴:低コスト生産に有利、専用型設備

製造棟: UT3(2026年10月稼働予定)
ターゲット: 商用・治験薬製造 小スケール
培養槽: 2,000L×4基(シングルユース、バッチ生産用) または、500L×1基(シングルユース、連続生産用)
特徴:シングルユース技術活用により稼働率・フレキシビリティを向上、連続生産機能を一部実装

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