マルコメ、愛媛県西予市にあおさの陸上養殖試験設備
2024年7月11日
マルコメは10日、愛媛県西予市に開設した養殖試験設備で徳島文理大学協力の下、あおさ(ヒトエグサ)の陸上養殖を開始したと発表した。
あおさは、みそ汁の具材としても人気が高く需要も年々伸びている。一方、温暖化による海水温の上昇などで海藻類全般の収穫量は減少が続いている。あおさの供給不安を解消するとともに、海洋資源の持続的な活用を目指す。
施設は、明浜町にあおさ陸上養殖試験設備を開設しており、2019年から試験養殖を開始、良好な試験結果を踏まえ2024年に事業ベースの1/5の規模で試験を実施、種苗作成から収穫まで一連の流れを確立した。現在、3名体制で収穫量の増産や通年養殖に向けた取り組みを行っており、収穫量の増産に向けて養殖のスキームや水槽の形態、撹拌手法についても試行錯誤を重ねている。
今年9月から「生みそ汁料亭の味あおさ8食」の一部を陸上養殖あおさへ切り替えていくため、最終的な品質チェックに入っている。あおさは高い海水温に弱いため、海面養殖では主に寒い時期に収穫されるが、陸上では通年収穫も可能。単位面積あたりの収量も海面養殖と比べて多く、期間も短いなどメリットの多い技術。今後も段階的に増設し、2027年度までに年間収穫量14トンを目指している。
■ 施設概要
施設名:あおさ陸上養殖研究開発拠点(仮称)
場所:愛媛県西予市明浜町俵津1番耕地696番4
面積:約3,000坪(約10,000㎡)
水量:約5,600t/日
排水:約5,600t/日
水槽:300L水槽240基、10t水槽120基、5t水槽120基(予定)
出荷予定:2024年9月