日立エナジー、カナダの大型変圧器工場拡張
2025年10月1日
日立エナジーは9月30日、カナダ・ケベック州ヴァレンヌの大型変圧器工場を拡張すると発表した。
同社は2024年に公表した増強計画をさらに強化し、年間製造能力を約3倍に拡大する。投資額は1億9,500万米ドル。約500名の新規雇用を創出し、地元調達率が5割を超える製品構成から地域経済の発展にも貢献する。今回の投資は、2020年から進めている総額90億ドル超のグローバル投資の一環で、製造能力と研究開発、エンジニアリングの強化を目的とする。
拡張後は最新鋭の組立ラインや鉄心・巻線供給ラインを追加し、製造の安定性を高めるとともに、変圧器技術プラットフォーム「TrafoStar」を導入することで、世界各地の工場と統一された設計・製造・品質管理を実現する。ヴァレンヌ工場はHVDC向け変圧器製造拠点として世界有数の規模を有し、原子力品質保証規格CSA N299認証を取得している。今回の拡張により、原子力発電システムの拡大や既存インフラ更新、再生可能エネルギー普及やデータセンターの電力需要増加に対応する供給体制を整える。
同社は世界最大の変圧器メーカーとして、送配電網の高度化を推進しながら、2030年までにカーボンニュートラルな事業運営の実現を目指している。
■ 新工場概要
所在地:カナダ・ケベック州ヴァレンヌ(ヴァレンヌ工場)
投資額:1億9,500万米ドル
事業内容:大型変圧器の製造
新規雇用:約500名