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富士フイルム、静岡工場で先端半導体材料の新棟竣工

2025年11月27日

富士フイルムは11月25日、半導体材料事業を担う富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズの静岡工場で建設していた開発・評価用の新棟が竣工し、11月から稼働を開始したと発表した。

 近年、AIや5G、IoTの普及で先端半導体の需要が急増している。半導体材料事業は2021~2024年度で売上が約1.7倍に拡大しており、同社は2021~2024年度に1,000億円以上の設備投資を行い、2025~2026年度にかけてさらに1,000億円以上の投資を計画している。

 新棟への投資を通じ、AI半導体を中心に成長が見込まれる先端・次世代半導体向け材料の開発・生産体制を拡充し、需要増に対応する。国内外拠点との連携を生かし、多様な製品ラインアップと安定供給体制で事業拡大を進める。

 新棟では、高い清浄度を維持するクリーンルームに先端評価機器を設置し、開発品の性能評価や製品の品質評価機能を強化する。微粒子検査工程にAI画像認識技術を導入して分析精度を高めるほか、DX推進部門を配置し、製造工程でのデジタル技術の活用を拡大する。また、BCP対策としてRC造柱頭免震構造を採用し、水害対策としてクリーンルームを地上12メートルに配置した。

 新棟の稼働により、EUVリソグラフィ用レジストやArF、NILなどの先端レジスト、PFASフリー材料、カラーフィルター材料「Wave Control Mosaic」の開発を加速させる。ポリイミドなど次世代半導体パッケージ向け材料の開発・量産体制も強化する。

■ 新棟概要

場所:静岡県榛原郡吉田町川尻(FFEM静岡工場内)
投資額:約130億円
延床面積:約6,400m²
構造:鉄骨造/全免震構造
階数:地上4階
用途:先端レジストやWave Control Mosaic™の開発・生産のための品質評価機能強化(クリーンルームの設置・検査装置の導入などを含む)
稼働開始時期:2025年11月

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