住友重機械工業、広島県廿日市の新プラント稼働
2025年12月11日
住友重機械工業は12月10日、広島ガスと共同で広島ガス廿日市工場内に建設したLAES(液化空気エネルギー貯蔵)商用実証プラントが商用運転を開始したと発表した。
再生可能エネルギーの普及に伴い、長時間の電力貯蔵と系統安定化の需要が高まっている中、未利用のLNG冷熱を活用した高効率な蓄電設備の開発が課題となっていた。同プラントは液化空気生成過程にLNG冷熱を用いて充電効率を向上させる世界初の商用LAESプラントと位置付ける。
LAESはオフピーク時や再生可能エネルギーによる余剰電力で空気を圧縮・冷却して液化しタンクに貯蔵、必要時に加圧・気化・加熱してタービン発電機を駆動する仕組みを持つ。長時間貯蔵に適し、慣性力や無効電力を安定供給できることから、電力網の安定化にも貢献する。
住友重機械は同設備の設計、建設、運転と運用を行い、商用運転で得た知見をもとに設備の合理化を進める。広島ガスはLNG冷熱を供給し、自社ボイラの省エネ・省CO2などLNG冷熱を有効利用する。
今回の商用実証では、LAES設計・建設における法令・規格対応、LNG冷熱の相互利用による効率改善・省エネ効果の検証、日本の系統運営や電力需給市場への適合と合理化を主な目的としている。
■ 設備投資概要
名称:住友重機械工業(株)廿日市エネルギー貯蔵発電所
所在地:広島県廿日市市木材港南11-71(広島ガス廿日市工場内)
容量:5MW×4時間貯蔵(充電4MW)
実証試験開始日:2025年12月1日
