富士フイルム、富山にバイオ医薬品工場
富士フイルムは12月23日、富士フイルム富山化学 富山第二工場内に国内最大級のバイオ医薬品CDMO工場を開設したと発表した。
日本ではバイオ医薬品需要が拡大する一方、生産の多くを海外に依存している。製造プロセス開発や技術移管のスピードが課題となっており、国際的な品質基準に対応した国内製造基盤の整備が求められていた。
新工場は同社グループで国内初となる抗体医薬品の製造拠点とし、世界最大級のシングルユース5000L動物細胞培養タンク2基と2000Lタンク2基を導入した。隣接地で建設中の工場とあわせ、原薬製造から製剤化・包装まで一貫して行う体制を構築し、アジアにおけるバイオCDMO事業の中核製造拠点とする。
設備と品質管理システムは、欧州でバイオCDMO事業を展開するグループ拠点と共通化し、拠点間の技術移管や工場建設のリードタイム短縮を図る「kojoX™」のコンセプトを採用した。平時は顧客ニーズに応じたバイオ医薬品を製造し、有事にはワクチン製造へ切り替えるデュアルユース体制を敷く。
同社グループは、培地や試薬、iPS細胞などの創薬支援ソリューションとCDMO事業を組み合わせ、製薬企業やバイオベンチャー、アカデミアの医薬品開発から商業生産まで一貫支援する方針だ。
■ 新工場概要
建物名:704工場
場所:富山県富山市千原崎1-8-70(富士フイルム富山化学 富山第二工場(蓮町サイト))
建物概要:地上6階建て、高さ41.2m、延床面積 約16,000m²
導入設備:5,000リットル動物細胞培養タンク×2基
:2,000リットル動物細胞培養タンク×2基
:その他、拡大培養・精製工程などの機器
竣工式:2025年12月23日
稼働開始:2027年
