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JMC、長野のコンセプトセンターで生産設備増強

2018年7月30日

 JMC(神奈川県横浜市)は26日、長野県飯田市のコンセプトセンター内に溶解炉2基、アーム型非接触三次元測定機1台、低圧鋳造設備1基、脱ガス処理装置1基を導入すると発表した。

 今回導入した設備の中で、溶解炉は生産量に直結する重要な設備であり、既存の溶解炉と合わせて8基体制となったことから、鋳造工程における1日の生産能力が最大で約1.4倍(同社前期比)となる。さらに、同時に多くの種類のアルミニウム合金を取り扱うことができるようになり、多様な素材需要に対し柔軟な対応が可能となった。

 また、溶解炉の増強による溶解能力の向上に伴い、付随する砂型造形の生産ラインが将来的に不足する見込みのため、2018年11月には同1ラインの増設を予定している。

 アーム型非接触三次元測定機は、鋳造工程の生産量増加に対応するため、品質保証体制の強化として、ヘキサゴン・メトロジー製のアーム型非接触三次元測定機「ROMER Absolute Arm 7325SI」を導入。本機はポータブルタイプであり、鋳造工程内での測定が可能で、鋳造品の形状測定の効率向上や品質向上が見込まれる。

 JMCで初めて導入する低圧鋳造設備は、JMC仕様にカスタマイズしたものであり、高品質な鋳造品を製造できることが特徴。同社はこれまでも耐熱マグネシウム合金を材料とする難易度の高い製造に取り組んできたが、本設備の導入によって製造時の歩留まりが改善され、品質の高い鋳造品の安定供給が可能となる。

 加えて、アルミニウム合金の製造においても、自動車のシリンダーブロックやシリンダーヘッド、足回り部品等の重要保安部品、航空分野で求められる高品質の鋳造品が従来よりも容易に製造できるようになる。

■ 設備投資概要

所在地:長野県飯田市川路7502-1(コンセプトセンター内)
溶解炉:アルミニウム合金専用電気炉 300kg 2基
非接触三次元測定機:ヘキサゴン・メトロジー(株)製 ROMER Absolute Arm 7325SI
低圧鋳造設備:アルミニウム合金・マグネシウム合金兼用
脱ガス処理装置:(株)パイロテック・ジャパン GBFシステム

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