工場・物流施設を中心とした設備投資情報を配信

日立製作所、米国メリーランド州に鉄道車両製造の新工場

2022年10月21日

 日立製作所は19日、鉄道システム事業におけるグループ会社の日立レールは、7,000万米ドル(約104億円)を投資して、米国メリーランド州ワシントン郡にある41エーカー(約16万6,000㎡)の土地に、鉄道車両工場(以下:新工場)と800ヤード(約730m)の試験線を建設すると発表した。

 新工場のフル操業後は、日立レールの直接雇用460人を含む1,300人の雇用を創出する。2024年初旬の開業に向けた建設計画は順調に進んでおり、整地、外壁の一部が完成した。建設工事は米国の建設会社である Ryan Companies US, Inc.(ライアンカンパニーズ)が主導している。

 新工場は、2024年度第1四半期に完成後、ワシントン首都圏交通局のワシントンメトロ向け8000系電車256両の製造を開始する。この契約は2021年3月に発表され、オプションを含めると最大800両の規模となる。新工場のフル操業開始後は、日中シフトのみのベースでメトロ車両から高速車両までの幅広い車種を月間20両製造が可能。

 建設計画は予定通り進んでおり、最新のフェーズでは、1枚あたり13フィート×36フィート(約4m×約11m)、約35,000ポンド(約16t)の重さのコンクリート壁パネル248枚を設置した。根太、桁、構造用鋼の柱など、新工場の建物を完成させるために必要な鋼材は全部で1,050tにのぼる。また12,430立方ヤード(約9,500㎥)のコンクリートが使用され、これはオリンピックサイズ・プール四つ分に相当する。

 新工場の製造能力は、革新的な技術ソリューションによって強化され、これまでで最も先進的なデジタル工場を実現する予定。また、気候変動対策のイノベーターとして、最新技術を導入して、エネルギーや資源を効率的に使用し、環境を保護していく。

■ 新工場概要

所在地:米国メリーランド州ワシントン郡
投資額:7,000万米ドル(約104億円)
土地面積:41エーカー(約16万6,000㎡)
新規雇用:1,300人(日立レールの直接雇用460人含む)
事業内容:ワシントンメトロ向け8000系電車256両の製造(オプションを含め最大800両)
生産能力:月間20両(日中シフトのみのベース)
完成予定:2024年度第1四半期
開業予定:2024年初旬

このエントリーをはてなブックマークに追加