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中外製薬、横浜市の新研究拠点が竣工

2022年10月21日

 中外製薬は18日、創薬研究を担う新研究拠点「中外ライフサイエンスパーク横浜」(以下:中外LSP横浜)の竣工式を行ったと発表した。

 中外LSP横浜は、従来の富士御殿場研究所と鎌倉研究所を統合し、国内の創薬研究拠点を一カ所に集約することで、創薬力を最大限に発揮できる体制を整備した。創薬研究機能のほか、主に中分子化合物の製剤研究を担う施設も一部含まれている。2023年4月に稼働し、研究者やスタッフなど、約1,000名の従業員が勤務する予定。

 また、異分野の研究者の交流や知識の融合からイノベーションを生み出すため、様々な設計上の工夫を施している。実験棟と研究者の居室棟を連結するように作られた「スパイン」と呼ばれる300mの廊下は、中外LSP横浜の骨となる部分。日常的に移動するこの空間にミーティングやコラボレーションのための共有空間を設置し、研究者同士の会話や活発な議論を生み出しやすいようデザインしている。

 また、AIを活用した創薬やロボティクス技術を組み入れたオートメーション化に取り組む最先端の研究施設として、研究の生産性と質の飛躍的向上を目指していく。利便性の高い立地で最先端の研究に従事する魅力的な研究所とすることで、優秀な人財を惹きつけるとともに、国内外の研究者との交流がより活発になることも期待している。

 施設のコンセプトは、「Green Innovation Village ~緑の中に点在する、最先端創造研究所」。施設の外観は緑を多く取り入れ、地域社会との調和を図ったデザインとしている。環境負荷の低減を目指して、最新の照明や空調システム等を活用した省エネルギー化と自然エネルギーの利用による創エネルギー化を図り、環境との共存やサステナビリティ、安全性にも配慮している。

 また、敷地の一部を横浜市への提供公園としたことに加え、西側の一帯を緑道とし、日中は誰でも利用できる遊歩道として開放している。稼働後は、グラウンドの貸し出しも行う予定。このほか、施設内に児童・学生向け体験施設「バイオラボ」を設置し、地域社会・バイオ人財育成への貢献を目指すプログラムを提供する予定。

■ 研究所概要

所在地:西側/神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地
   :東側/神奈川県横浜市戸塚区上倉田町79番地1
総投資額:1,718億円(土地430億円、建物設備等1,288億円)
敷地面積:158,600㎡
延床面積:119,500㎡
将来用地:31,770㎡
建物構造:全16棟(西側7棟、東側9棟)、地上6階/地下1階(最大)
着工:2019年8月
竣工:2022年10月15日
稼働予定:2023年4月

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