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大日本印刷、黒崎工場に大型メタルマスクの生産ライン

2022年11月11日

 大日本印刷(DNP)は10日、福岡県北九州市の黒崎工場内に、大型メタルマスクの生産ラインを新設すると発表した。

 メタルマスクの製品市場で世界トップシェアを持つDNPは今回、他社に先駆けて第8世代基板に対応した大型メタルマスク生産ラインを黒崎工場に構築する。同工場では、生産を終了した液晶ディスプレイ用カラーフィルターの工場建屋を活用することで、投資効率の向上を図る。

 投資額は200億円で、2024年上期に稼働を開始する。新ラインでは、今後需要の拡大が見込まれる、タブレット端末とノートパソコン向けの有機EL(OLED)ディスプレイの生産効率を大幅に高める、第8世代のガラス基板に対応した大型メタルマスクを生産する。

 また、メタルマスクの主要生産拠点である三原工場(広島県)をバックアップすることで、BCPへの対応強化を図る。黒崎工場のライン新設により、メタルマスク生産能力を従来の2倍以上にしていく計画。スマートフォン向けのメタルマスク生産で、世界トップシェアを持つ強みをタブレット端末やノートパソコン向けにも展開し、さらなる事業拡大を目指す。

 OLEDディスプレイは自発光する有機分子層を電極で挟んだ構造をしており、薄型化や省電力化が可能でコントラストにも優れているため、スマートフォンでの搭載率が2025年までに50%を越えると見込まれている。

 さらに今後は、タブレット端末やノートパソコン等のIT製品でも、高付加価値化に向けてOLEDディスプレイの採用が加速し、IT製品向けの市場が2025年までに現状の約5倍に拡大することが予測されている。こうしたディスプレイの大型化にともない、OLEDパネルメーカー各社は、現在の第6世代サイズよりも生産効率が高い大型の第8世代のガラス基板での量産について、検討を開始しているという。

■ 設備投資概要

所在地:福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1-1(黒崎工場)
投資額:200億円
生産品目:有機EL(OLED)ディスプレイ製造用メタルマスク
生産能力:従来の2倍以上(全体)
稼働開始予定:2024年上期

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