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AGC、北九州事業所に新プラント/150億円投資

2024年1月31日

AGCは30日、北九州事業所(北九州市戸畑区)で、グリーン水素製造に適したフッ素系イオン交換膜「FORBLUE Sシリーズ」の製造設備を新設すると発表した。

 投資額は約150億円、稼働開始は2026年6月を予定している。さらなる能力増強を経て、2030年度に売上高約300億円を目指す。プラント新設は、2002年に重曹の生産を中止して以来、北九州市で24年振りとなる化学品プラントの操業になり、千葉工場、鹿島工場に次ぐ第三の国内化学品拠点として再スタートさせる。

 再生可能エネルギー由来の電力で水を電気分解して製造するグリーン水素は、新たなクリーンエネルギーとして注目されており、世界各国で製造・供給が計画されている。

 現在実用化されている水電解装置は、アルカリ型と呼ばれる方式が主で、水力発電など電圧変動の少ない電源に適している一方、太陽光発電など電圧が変動し易い電源には不向きなため、これらの電源を効率的に活用可能なPEM(プロトン交換膜)型への関心が高まっている。またPEM型に使用するイオン交換膜の長寿命化を実現する材料としてフッ素ポリマーが着目されている。

 今回、世界的に急拡大するグリーン水素需要に対応するため、独自の高機能フッ素ポリマーを原料としたPEM型水電解装置向けフッ素系イオン交換膜「FORBLUE Sシリーズ」の量産設備の新設を決定した。同製品は同社が長年培ったポリマー設計技術と製膜技術による、世界トップレベルの消費電力を抑制する電圧性能と水電解装置の安全運転に関わるガスバリア性能が特徴で、2017年から試験販売を行っており、多方面から高評価を獲得している。

■ 設備投資概要

所在地:福岡県北九州市戸畑区牧山5-1-1(北九州事業所)
投資額:約150億円
事業内容:フッ素系イオン交換膜「FORBLUE Sシリーズ」の製造
稼働開始:2026年6月

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