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エア・ウォーター、インドの大型産業ガスプラント取得

2025年10月22日

エア・ウォーターは17日、グループ会社のエア・ウォーター・インディアがインドのタタ・スチールが建設中のジャルカンド州ジャムシェドプル製鉄所向け大型産業ガスプラントを取得し、同社と20年間の運転保守契約を締結したと発表した。

新プラントは2025年11月に稼働予定で、タタ・スチールへ酸素・窒素・アルゴンを安定供給するとともに、副生する液化ガスをインド東部と北部の顧客へ供給し、産業ガス事業の拡大を図る。エア・ウォーター・インディアはこれまで同製鉄所向けに3基のオンサイトプラントを運営しており、長年の運転・保守ノウハウを活かした信頼関係の構築が評価され、4基目となる今回の受注に至った。

 同社は鉄鋼向けオンサイトガス案件の強化と液化ガス製造拠点の拡充を戦略とし、インド市場の成長を背景に事業拡大を進めてきた。インド政府のMake in India政策や日印経済安全保障協力の進展を受け、鉄鋼業では粗鋼生産量拡大を目指した積極的な設備投資が進行中であり、東部では造船・電力・インフラ、北部では自動車関連産業の成長に伴い産業ガス需要が増加している。さらに、インド各地で半導体・電子産業の立ち上げが計画され、窒素ガスを中心とする産業ガス供給インフラ整備の重要性が高まっている。

 新プラントの取得は、鉄鋼向けオンサイト供給と液化ガス販売の両面からインド製造業の発展を支える設備投資で、同社は今後もインド産業ガス事業の拡大を通じて日印経済連携の強化に貢献していく。

■ 新プラント概要

プラント名:エア・ウォーター・インディア ジャムシェドプルオンサイト第4プラント
所在地:ジャルカンド州ジャムシェドプル(タタ・スチール ジャムシェドプル製鉄所隣接地)
製造品目:酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、液化酸素、液化窒素、液化アルゴン
酸素生産能力:約1,800トン/日(約52,500Nm³/h)
稼働開始予定:2025年11月

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