ブリヂストン、関工場のパイロットプラント着工
2025年10月22日
ブリヂストンは21日、岐阜県関市の関工場敷地内で、使用済タイヤの精密熱分解パイロット実証プラントの起工式を行ったと発表した。
同社は、使用済タイヤを資源として再利用するタイヤ水平リサイクルの社会実装を進めており、新プラントはその技術確立に向けた中核拠点となる。精密熱分解により、使用済タイヤから分解油や再生カーボンブラックを回収し、タイヤ原材料として再利用するケミカルリサイクル技術の実証を行う。竣工は2027年を予定している。
新設備は、ENEOSと共同で進めるプロジェクトの一環であり、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された「使用済タイヤからの化学品製造技術の開発」の研究テーマに基づく。ENEOSが分解油をリサイクルオイル化して化学品を製造し、再生カーボンブラックとともにタイヤ原材料として再利用することで、資源循環を実現する。また、得られた再生カーボンブラックは、東海カーボンによるNEDO採択事業にも活用される計画。
ブリヂストンは、東京都小平市のBridgestone Innovation Parkでの実証試験で得られた技術をもとに、新プラントで量産化に向けた技術確立を進める。安定運転に必要なプロセス設計や品質管理、プラント操業ノウハウの構築、人材育成なども目的としており、環境に配慮した工場運営とともに持続的な事業基盤の構築を図る。
■ 設備投資概要
所在地:岐阜県関市新迫間20 関工業団地内(ブリヂストン関工場)
敷地面積:15,122㎡
最大処理能力:使用済タイヤ7,500トン/年
起工式:2025年10月21日
稼働開始予定:2027年9月