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三井化学、韓国でMDI生産設備増強

2025年12月18日

三井化学は12月15日、韓国子会社の錦湖三井化学が韓国全羅南道麗水市の麗水工場でMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)生産設備を増強すると発表した。

 MDIは自動車部品や家具寝具、住宅や冷蔵庫の断熱材、弾性繊維や接着剤用原料などに用いる代表的なポリウレタン主原料となる。住宅建築の断熱性能向上政策や経済成長に伴う快適性向上要求を背景に、MDI需要は世界的に年率5%程度の成長が見込まれている。

 錦湖三井化学は高機能MDI(モノメリック系、変性MDI、高粘度ポリメリック系)と、住宅や家電の断熱材向けの汎用MDI(ポリメリック系)を生産・販売している。麗水工場では2024年に20万tの増強を行い、既にフル生産となっている。

 今回の増強では、MDIの生産能力を年10万t引き上げ、年61万tから71万tへ拡大する。2026年2月に着工し、2027年5月の完工を予定する。自動車材向けを含む需要伸長に対応し、高難燃断熱材に用いる高機能MDIの供給能力を高める。

 前回増強時に導入したリサイクル設備を活用し、MDI単位重量当たりのGHG排出量を削減する。カーボンフットプリント低減とエネルギー効率向上によるコスト合理化を図り、持続可能な生産体制の構築を進める。三井化学は今回の設備投資を通じ、成長が見込まれるMDI事業の拡大と高機能化を推進する。

■ 設備投資概要

所在地:韓国・全羅南道麗水市(麗水工場)
製品:MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)
増強能力:10万t/年(61万t/年→71万t/年へ増強)
着工予定:2026年2月
完工予定:2027年5月

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