カナデビアは12月19日、連結子会社の日立造船マリンエンジンがアンモニア焚き舶用エンジン生産に向け、本社兼工場に設備投資を行うと発表した。

　国際海事機関が2023年に2050年頃までの温室効果ガス排出実質ゼロ目標を採択し、海事クラスターではLNGやメタノール、アンモニアなど新燃料への転換技術の開発が進んでいる。日立造船マリンエンジンはLNG焚きに対応するほか、2023年にメタノール焚きエンジン向けの設備投資を行っており、2030年以降に普及が見込まれるアンモニア焚きエンジンの需要に備える。

　投資額は約25億円で、アンモニア燃料供給装置、アンモニア受入設備、貯蔵設備などを導入し、2028年度中の運転開始を目指す。導入する燃料供給装置は、同社がライセンスを受けるEverllence SEとWinGDの基本設計に適合する。

　今回の投資の一部には、同社が採択された2025年度国土交通省ゼロエミッション船の建造推進事業の補助金を充当する。脱炭素を重視する荷主の増加で新造船市場が活発化するなか、新燃料対応エンジンの生産体制整備と技術開発を進め、国際海運・造船業界向けの舶用エンジン供給体制を強化する。