富士フイルム、米国でiPS細胞の生産棟が稼働

2020年3月9日

 富士フイルムはこのほど、米国子会社でiPS細胞の開発を行うフジフイルム・セルラー・ダイナミクス(以下:FCDI社)が治療用iPS細胞の新生産施設(i-FACT)を3月4日より稼働させると発表した。

 現在、FCDI社は、加齢黄斑変性や網膜色素変性、パーキンソン病、心疾患の領域で自社再生医療製品の研究開発を進めている。がん領域では、新会社Century社にて、他家iPS細胞由来のCAR-T細胞を用いた次世代がん免疫治療薬の開発を行っている。

 今回稼働させる「i-FACT」は、開発ラボを兼ね備えた、治療用iPS細胞の生産施設。大量培養設備だけでなく、少量多品種培養設備を導入。さらに、FCDI社が持つiPS細胞の初期化・分化誘導技術や、富士フイルムのエンジニアリング技術・画像解析技術なども生産施設に投入することで、iPS細胞の高品質・高効率生産を実現する。

 施設は、他社との協業にも対応できる、複数の開発ラボ(4室)や製造クリーンルーム(3室)を設置。各開発品に適した、製造のスケールアップ(小型のモデル装置で得られる効果を、大型の実機で再現すること)・スケールアウト(製造設備の数を増やして生産能力を向上させること)の技術開発を行い、製造ラインにスムーズに移管することで、効率的な多品種生産を実現する。また、製造ラインに備えた品質評価室ではiPS細胞の品質を高精度に評価し、高品質なiPS細胞を安定的に生産する。

 今後、「i-FACT」で生産したiPS細胞を用いて自社再生医療製品の開発を加速させるとともに、同施設を活用した、iPS細胞やiPS細胞由来分化細胞の開発・製造受託も展開していく。

■ 生産棟概要

会社名:FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.
名称:Innovation Facility for Advanced Cell Therapy
所在地:米国ウィスコンシン州マディソン市
総投資額:約25億円
延床面積:約3,000㎡
生産品目:治療用iPS細胞・iPS細胞由来分化細胞
主要設備:大量培養設備、少量培養設備、細胞品質の評価システムなど
稼働開始:2020年3月4日

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