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味の素、タイ工場にバイオマス燃料のコージェネレーション設備導入

2022年9月26日

 味の素は20日、うま味調味料「味の素」や核酸などを生産するタイの基幹工場(タイ味の素社カンペンペット工場)に建設を進めていた、もみ殻を燃料とするバイオマスコジェネレーションシステムが稼働を開始したと発表した。

 投資額は15億バーツ(約57億円)。20年8月に着工し、22年9月19日のオープニングセレモニーより本格稼働を開始した。工場で使用する全ての蒸気をバイオマス由来の蒸気に置き換え、同時に蒸気タービンで発電を行い、購入電力の一部を自家発電に切り替えることで、CO2排出量削減とエネルギーコストの低減を図る。

 カンペンペット県は、世界有数の米生産国であるタイの中心的な穀倉地帯にあり、多くの精米所で燃料であるもみ殻が大量に発生するため、安定的な調達が可能。

 タイ味の素社は、アユタヤ県のアユタヤ工場でも、もみ殻を燃料とするバイオマスコジェネレーションシステムを2016年より稼働させており、同システムの導入はタイで2工場目。さらに同社では、現在石炭を使用しているパトムタニ県のパトムタニ工場のコジェネレーションシステムの燃料を、2022年度中にバイオマス燃料に全面的に転換する予定。

 これによりタイ味の素社の2023年度のCO2排出量は2018年度比50%以下となり、2030年までにCO2排出量50%削減という同社グループが設定した目標を、計画より大幅に繰り上げて達成する見込み。

■ 設備投資概要

所在地:タイ国カンペンペット県
投資額:15億バーツ(約57億円)
ボイラー:1基、蒸気供給能力は1時間当たり85トン
燃料:もみ殻(マルチ燃料対応)
発電機:1基、9,900キロワット
着工:2020年8月
稼働開始:2022年9月19日

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