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神戸製鋼所、タイに新線材製造拠点/241億円を投資

2016年2月8日

 神戸製鋼所(兵庫県神戸市、東京都品川区)は2日、タイのMillcon Steel Public Company Limited(Millcon)との間で、線材の圧延及び販売を目的とした合弁会社Kobelco Millcon SteelCo.,LTD(MSS)を設立する事を決定したと発表した。

 同社は、Millconが一昨年に買収したThai Special Steel Industry Public CompanyLimited(TSSI)の資産を保有するMillcon Special Steel Company Limited(MSS)に対してMSSが新たに発行する株式を引受けることによって資本参加し、MSSの社名をKMSに改称する。

 タイの自動車生産台数は、15年実績の191万台に対して今後着実に拡大すると想定されている。また、インドネシアやマレーシアといったタイ以外のアセアン諸国においても、堅調な拡大が見込まれている。それに伴い、線材の需要についても拡大が見込まれることから、タイでの合弁事業による線材の製造拠点設立を決定した。

 MSSは、15年9月から既に商業生産を開始しているが、同社の資本参加によって特殊鋼線材の生産に向けた設備導入や準備作業を本格化させ、特殊鋼線材の製造を17年5月から開始する予定。

 同社の線材事業は、これまでタイ、中国、米国やメキシコでの線材二次加工拠点の設立によって、拡大する海外需要に対応してきたが、線材圧延では唯一の海外製造拠点となるKMSの設立により、東南アジア地域における線材の現地供給体制が更に整うこととなる。

■ 新工場概要

会社名:Kobelco Millcon Steel Co., LTD. (略称 KMS)
所在地:タイ国ラヨーン県(現MSS)
投資額:67.9億バーツ(約241億円)【MillconによるTSSI資産の買収費用を含む】
事業内容:特殊鋼及び普通鋼線材の圧延・販売
生産能力:年産48万トン
従業員数:約300名(フル稼働時)
稼働予定:2017年5月(特殊鋼線材)

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