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日本コンクリート工業、滋賀県湖南市の工場でパイロットプラント建設

2023年8月1日

日本コンクリート工業(以下:日コン)は7月26日、子会社のNC西日本パイル製造の滋賀工場内に合成炭酸カルシウム(以下:合成炭カル)製造設備を建設すると発表した。

 日コンと出光興産は、コンクリート廃棄物(スラッジ)を利用したCO2再資源化技術により生成する合成炭カルの製造販売事業に関して、今年6月に両社で協力を進めることに基本合意した。取り組みの第一弾として、年間製造能力700トンの合成炭カル製造設備(以下:パイロットプラント)の今年度中の建設と実証試験開始を目指す。

 事業は、滋賀県の「2023年度滋賀県近未来技術等社会実装推進事業補助金事業」に採択された。両社は合成炭カルの製造販売の事業化を進め、道路舗装材等に活用する。補助金額は690万円の予定で、工期は2024年2月28日まで。設備の性能と製造した合成炭カルの品質を確認し、市場の確保ができ次第、滋賀工場設備を商業機に切り替え稼働させる予定。また、量産化に向け、日コングループの他の工場でもプラントを順次立ち上げることを構想しており、2024年度内の商業化を目指す。

 パイロットプラントは主に溶出槽、反応槽、フィルタープレス、乾燥ヤード、乾燥・破砕機、貯蔵サイロから構成される。補助金事業では合成炭カル製造のための溶出槽(コンクリートスラッジと水の混合)、反応槽(合成炭カルの生成)、付帯設備の建設を行い、それらの試運転・性能確認を実施する。製造した合成炭カルのサンプルを用いて物性、乾燥・破砕試験や炭カル純度、粒子径、水分など分析を行い、製造物の品質評価を行う予定。

■ 設備投資概要

所在地:滋賀県湖南市柑子袋270(NC西日本パイル製造 滋賀工場内)
設備:合成炭酸カルシウム製造設備
製造能力:700トン/年
工期:2024年2月28日まで

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