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ダイキン工業、米ミネソタ州で250億円投資

2025年12月12日

ダイキン工業の子会社ダイキンアプライドアメリカズ社(DAA社)は12月9日、米ミネソタ州ミネアポリスの本社敷地内に開発試験設備を建設するため、1億6300万ドル(約250億円)を投資すると発表した。

 AIやクラウドの普及でデータセンターの増設が進み、高密度なハイパースケールデータセンター向け冷却需要が拡大している。データセンター向け冷却機器市場は2023年の67億ドルから2030年に166億ドルへ成長する見通しとされ、DAA社は次世代冷却技術の開発体制を強化する必要が生じていた。

 新設備は延べ面積約6600m²(7万1000ft²)の規模で、すでに9室で試運転を始めており、全体の完成・稼働開始は2027年を予定する。ハイパースケールデータセンターの過酷な運用条件を再現可能な試験能力を備え、チラー、エアハンドリングユニット、ヒートポンプなど既存空調機器に加え、データセンター向け次世代冷却システムの開発・検証を行う。

 4室の試験室では、新たな市場トレンドや顧客ニーズに対応する二次側機器の技術開発にも取り組む。従来の冷却システムやヒートポンプ分野における性能向上や高効率化の検証を行い、既存空調市場向け製品の競争力強化につなげる。

 今回の投資は、超高密度冷却キャビネットを手がけるDDC Solutions社、高性能データセンター向け液体冷却システムのChilldyne社、カスタムエアハンドリング機器のAlliance Air社などの買収を補完し、データセンター向け空調ソリューションのポートフォリオ拡充を狙う。

 DAA社はミネアポリス・セントポール都市圏の高度人材を活用し、新設備をエンジニアや技術者の継続的な訓練・育成拠点としても位置づける。ダイキングループは米国で25カ所の製造拠点を展開し、総投資額は90億ドル超に達しており、業務用とデータセンター向け空調分野での研究開発と製造体制を一段と強化する。

■ 設備投資概要

所在地:米国・ミネソタ州ミネアポリス(本社敷地内)
投資額:250億円
延べ面積:約6600m²(7万1000ft²)
事業内容:データセンター向け次世代冷却システムなどの開発・検証
完成・稼働開始予定:2027年

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