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東北エプソン、酒田市のプリンター用ヘッド新工場完成

2025年10月15日

セイコーエプソンは10日、グループ会社の東北エプソンが建設を進めていたインクジェットプリンター用ヘッドの新棟(6号棟)が竣工したと発表した。

 同社はインクジェットプリンター市場の拡大を背景に、商業・産業分野におけるデジタル印刷への移行や新興国での大容量インクタンク搭載機需要の増加に対応するため、生産能力を強化する。新棟の竣工により、東北エプソンでのプリントヘッド生産能力は将来的に現在の約4倍まで拡大する。

 今回の投資は、長野県塩尻市の広丘事業所で進めるマイクロTFPプリントチップ前工程の増産に対応したもので、2023年12月に竣工した秋田エプソン10号棟に続き、国内で後工程の生産能力を拡充する取り組みの一環となる。東北圏の2拠点で機種別生産の割り付けを行い、主流機種の両拠点生産やライン共用によりBCP対応と生産変動への柔軟な対応を図る。

 新棟は既存のプリントヘッド生産棟に併設され、部品から組立までの工程を効率化。新設計による省人化・省スペース化、自動運搬ロボットの導入、省エネ空調システムの採用などにより、作業負荷の軽減と省エネルギー化を実現した。エプソンはこの設備投資を通じて、今後のPrecisionCoreプリントヘッド搭載インクジェットプリンターの需要増加に対応し、製品ラインアップの強化を進めていく。

■ 新工場概要

所在地:山形県酒田市十里塚字村東山166-3
投資額:約51億円
事業内容:インクジェットプリンター用ヘッドの製造と組立(オフィス・ホーム、商業・産業向けプリンターなど)
生産能力:将来的に現在の4倍程度に拡大
建築面積:5,500m²(鉄骨造2階建て)
延床面積:11,191m²
稼働:2026年5月

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