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JX金属、磯原工場に33億円追加投資

2025年10月9日

JX金属は8日、茨城県北茨城市の磯原工場で結晶材料を増産すると発表した。

 光通信分野を中心に需要が急増している結晶材料インジウムリン(InP)基板の生産能力をさらに強化するため、追加の設備投資を行う。今回の投資は2025年7月に公表したInP基板の増産投資に続くもので、磯原工場で製造工程の一部を増強する。

 生成AIの進化によりハイパースケールデータセンターの建設が世界的に加速し、データ伝送量と消費電力が増大している。このため、高速・大容量通信を可能にし、消費電力削減にも貢献する光通信への移行が進展している。光通信を支える主要材料であるInPは、電気信号と光信号を相互変換できる特性を持ち、光通信用受発光素子やウェアラブル端末、産業用センサなどに用いられており、光トランシーバーを中心に需要が急拡大している。

 同社は、こうした需要拡大を受けて7月に設備投資を決定していたが、生成AIの進化が継続すると見込まれる中、InP基板の中長期的な需要急伸に対応する体制構築を急ぐ必要があると判断し、今回の追加投資に踏み切った。今後も需要増加を見据えた投資を継続的に検討していく。

■ 設備投資概要

所在地:茨城県北茨城市華川町臼場187-4(磯原工場)
投資額:約33億円
生産品目:結晶材料インジウムリン(InP)基板
生産能力:2025年比約5割増(2025年7月23日付公表文の設備投資増加分と合わせて)
稼働開始予定:2027年度

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